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民泊トラブルの対処法 | 相談先や外国人対応についても解説

近年の訪日観光客増加に伴い民泊ビジネスが活況を呈する一方で、運営現場では様々なトラブルが深刻化しています。東京・新宿区では民泊に関する苦情件数が2022年度の60件から2023年度には299件へと約5倍に急増し、全国的にも同様の傾向が見られます。

騒音やパーティー、ゴミ出し違反、定員オーバーなど近隣住民からのクレームは深刻で、放置すれば営業停止など行政指導につながる恐れもあります。

本記事では、民泊運営で起こりやすいトラブルとその対処法を具体的に解説し、専門的な視点からデータと対策を紹介して、安全・安心な民泊運営のための「備え」と「相談先」を紹介いたします。

民泊で起こりやすいトラブルとは?

民泊運営では多種多様なゲストを受け入れる中で、様々なトラブルが頻発します。ここでは、特に起こりやすい5つのトラブルについて解説します。

騒音やパーティー問題

民泊トラブルで最も多いのが騒音問題です。集合住宅や住宅街で深夜にゲストが大声で話したり、部屋でパーティーを開けば、近隣住民から苦情や警察への通報につながります。

マンションの民泊で深夜にパーティーが行われ、警察沙汰になったケースも報告されています。多くの自治体では夜間騒音を条例で規制しており、悪質な場合は行政指導や罰則が科される可能性もあります。

対策として事前にハウスルールで「夜○時以降は静粛に」と明示し、防音対策を講じることが重要です。

備品の破損や盗難

ゲストによる室内設備や備品の破損・紛失も頻発するトラブルです。誤った使い方で家電を壊したり、文化の違いから外国人ゲストが備え付けのスリッパやドライヤーなどを「無料提供のアメニティ」と勘違いして持ち帰ってしまうケースもあります。

実際にゲストが退去後にスリッパ10足がまるごと消えていた例も報告されています。備品破損・持ち去りによる買い替え費用は累積すれば収益を圧迫し、悪質な場合は器物損壊罪・窃盗罪に該当する可能性もあります。

外国人ゲストとの文化・言語の違いによる誤解

海外からの宿泊客との間で、文化的背景や習慣の違いから思わぬ誤解・摩擦が生じることがあります。土足禁止が一般的でない国のゲストが玄関で靴を脱ぐ日本独特のマナーを知らずに室内に上がってしまったり、ゴミの分別について「いつ・どこに捨てればいいか分からない」「こんなに細かく分類するとは思わなかった」という事例があります。

騒音に対する感覚やプライバシー意識も国によって異なるため、本人に悪気はなくても日本では非常識とされる行為をしてしまう場合があります。文化の違いを前提にした多言語のハウスルール整備が求められます。

チェックイン・チェックアウトの時間違反

チェックイン・チェックアウト時間の無視も頻発するトラブルです。無人運営の物件では、ゲストがチェックアウト時間を過ぎても居座り続け、清掃スタッフが入室できず次の予約客を未清掃の部屋に迎える最悪のケースも起こりえます。

清掃の遅れが生じるなど起こる可能性があるため、注意喚起やチェックアウトの遅れが確認できた時点で早急にゲストと連絡を行うなどが必要となります。

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トラブルを未然に防ぐための基本対策

トラブルを未然に防ぐためには事前の備えが肝心です。民泊の物件数増加に伴いトラブル件数も増えると予想されるため、運営者は事前対策の徹底によってトラブルの芽を摘むことが求められます。

ここでは、民泊ホストが必ず講じておきたい基本的な予防策を紹介します。

明確なハウスルールと多言語表示

明確で詳細なハウスルールの策定はトラブル予防の第一歩です。日本語話者だけでなく海外からのゲストにも伝わるよう英語や中国語、韓国語など主要言語に翻訳したルールを用意し、チェックイン時や室内の見やすい場所に掲示します。

内容はチェックイン・チェックアウト時間、騒音やパーティー禁止、ゴミ捨て方法、室内禁煙など想定される問題行為をすべて網羅し、特に重要事項は太字や色付きで強調します。「21時以降は静かに」「BBQは20時まで」といった具体的表記により、ゲストの行動が大きく改善した例もあります。

本人確認・予約時の審査強化

ゲスト受入れ段階での本人確認と事前審査の徹底も重要な予防策です。

リーズナブルで手軽に泊まれる民泊には不審な宿泊客が紛れ込むリスクがあるため、信頼性の高いプラットフォームを利用し、ゲストの過去のレビュー評価確認、予約メッセージでの滞在目的や同行者の質問などで見極める対策が不可欠です。

民泊新法によりチェックイン時の本人確認(日本在住でない外国人の場合は旅券提示とコピー保存)が義務付けられているため、これを厳格に実施し、不明点があれば遠慮なく質問することが安全な運営につながります。

防犯カメラ・スマートロックの活用

テクノロジーを活用したセキュリティ強化もトラブル防止に有効です。

防犯カメラを玄関や共有部に設置すると不審者侵入の抑止や万一の証拠確保に役立ち、カメラがあるだけでゲストも行動に注意を払うようになります。スマートロックなら暗証番号式で鍵の受け渡しトラブルを防止でき、ゲストごとに異なる一時コードを発行できるため退去後の無断再入室も防げます。

高度なシステムでは防犯センサーと連動させて異常があれば通知・警報する仕組みも導入でき、不在時でも即座に対応策を講じられます。

外国人ゲストとのトラブル対応のコツ

民泊では外国人旅行者の利用も多いため、言語の壁や文化の違いへの対応力が求められます。日本語が通じないゲストとのコミュニケーション不足から騒音やゴミ出しマナーの誤解などトラブルが発生することも少なくありません。

ここでは、外国人ゲストとのトラブル対応について見ていきましょう。

多言語翻訳アプリ・翻訳チャットの活用

言語の壁を乗り越えるツールを積極的に活用しましょう。

無料で使える「Google翻訳」は対応言語が多く音声入力もできるため英語・中国語との会話に便利で、「DeepL翻訳」は高精度な訳出でニュアンス重視の文章翻訳に適しています。

騒音注意を促す際も翻訳アプリで相手の言語にして丁寧に伝えると角が立ちません。重要なのは「伝わるまで工夫する」姿勢で、翻訳文は平易な表現を使い短い文に区切ると正確さが増すでしょう。

文化習慣の違いを前提としたルール作成

文化の違いを織り込んだハウスルールを用意しましょう。室内で靴を脱ぐことは日本では常識ですが海外ゲストには珍しいため、玄関に「Please take off your shoes」などとイラスト付きで掲示し、スリッパを用意しておけば快適に過ごしてもらえます。

ゴミの分別方法も色分けした図や写真を使って視覚的に示し、ゴミ袋の色や種類、「この色の袋は○曜日に出す」といったルールを多言語で書いておきます。近隣への配慮も「Quiet hours after 9pm」と具体的な時間を示し、なぜ必要かも補足しておくと納得してもらいやすくなります。

文化のミスマッチを最小化する工夫で、様々な国のゲストを迎えて気付いた点をルールに反映していきましょう。

困ったときの相談先一覧

民泊運営でどうにも対処に困る事態が起きたら、一人で抱え込まずに専門の相談先に頼ることが肝要です。

日本国内には民泊に関する相談窓口や緊急時に駆け付けてくれる機関が多数あります。以下、民泊ホストが覚えておくべき主要な相談先をケース別にまとめます。

警察(110)・緊急時対応

警察(110番)は人身の安全や犯罪が関わる緊急事態の際の最重要連絡先です。

ゲスト間の暴力、ストーカー被害、不法侵入者の発見、薬物使用の疑いなど刑法に触れる行為や今まさに危険が及んでいる状況では迷わず110番通報してください。

大きな騒音パーティーで注意に従わない場合や近隣住民とのトラブルが暴力沙汰に発展しそうな場合も警察の出番です。通報することで記録が残り後日の証拠にもなりますし、第三者の権威によってその場を鎮める効果があります。

消防(119)・安全確認

消防(119番)は火災・救急など人命に直結する緊急事態の際の連絡先です。

調理中の火災やガス漏れ、ゲストの急病・怪我などが起こり得るため、迷わず119番に電話しましょう。救急隊には英語対応可能な隊員もいますが、Japan Visitor Hotlineに電話しながら119通報すれば通訳を介してもらうこともできます。

消防署は火災予防の観点から民泊物件の立入検査やアドバイスも行っているため、事前相談も有効です。

地方自治体の民泊窓口

各地方自治体には民泊に関する相談や届け出を担当する窓口があります。

多くは保健所や観光課内に「住宅宿泊事業担当」等のセクションが設置されており、民泊新法に基づく届出の受付や違法民泊の苦情対応などを行っています。

「近隣から営業について苦情が来たがどう対処すれば?」といった相談に乗ってもらえ、各自治体で独自の上乗せ条例がある場合その内容や遵守方法についても教えてくれます。

民泊制度コールセンター

国の観光庁が設置している民泊制度コールセンターでは、住宅宿泊事業法に関する質問や届出・報告の方法、義務事項の具体的な実施方法について専門スタッフが答えてくれます。

違法民泊の通報も受け付けており、必要に応じて自治体と連携して対応してくれます。各地の外国人観光案内所では多言語対応スタッフが配置されている場合があり、ゲストとの橋渡し役として活用できる場合もあります。

民泊管理代行会社・弁護士

近年増えている民泊運営代行サービス会社は、ゲスト対応から清掃手配、トラブル対応まで一括して請け負ってくれる心強い存在です。

深夜のゲストからの電話にも24時間対応し、必要なら現場に駆け付けて対処する「緊急駆けつけサービス」を提供している会社もあります。

法律トラブルについては弁護士への相談が有効で、民泊に詳しい弁護士事務所も増えており、宿泊約款や利用規約の見直し、トラブル発生時の交渉代理などプロの視点でアドバイスが得られます。

まとめ

民泊運営で遭遇しがちなトラブルと対処法について解説しました。トラブルを避けるためには事前の「備え」が何より大切です。

万一トラブルが起きても慌てず冷静に対処し、適切な「相談先」に頼ることが安心運営のポイントです。困ったときには一人で抱え込まず、しかるべき場所へ相談することで解決への糸口が見えてきます。

しかし、民泊運営には専門的な知識と24時間365日の対応体制が求められるのも事実です。トラブル対応から集客、清掃管理まで全てを個人で行うのは現実的に困難な場合も多いでしょう。

民泊運営の専門会社に委託することで、安心して事業を進めることができます。

株式会社Rebowlでは、事業計画の作成から開業準備、運営まで民泊事業をワンストップでサポートし、24時間365日のゲスト対応やトラブル時の現地急行サービスにより、オーナー様の負担を大幅に軽減いたします。

民泊運営でお困りの際はお気軽にご相談ください。

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