民泊を始めるには、物件の取得やリフォーム、設備投資などで多くの初期費用が必要になります。
そのため、多くの人が「融資」や「ローン」を使って、資金を準備しようと考えます。
この記事では、民泊で使える主な融資の種類や、申し込みの流れ、注意点、さらに初期費用の内訳までわかりやすく解説します。
民泊で利用できる代表的な融資の種類

民泊事業を始めるときに使える融資には、いくつかの選択肢があります。ここでは代表的なものを紹介します。
日本政策金融公庫の創業融資
日本政策金融公庫(にほんせいさくきんゆうこうこ)は、国が運営する金融機関です。新しく事業を始める人や小規模な事業者を応援するために、低い金利でお金を貸してくれます。
民泊を新しく始める場合、「創業融資」として申し込めます。自己資金が少なくても、事業計画がしっかりしていれば借りられる可能性があります。
金利が低く、返済期間も長めなので、初めての事業にはとてもおすすめです。
ただし、しっかりとした事業計画書や面談が必要となるので、準備が大切です。
地方自治体の制度融資
都道府県や市区町村などの自治体では、地域の活性化を目的にした「制度融資」が用意されていることがあります。
たとえば、観光客を増やしたい地域では、民泊事業者に対して低金利で融資をする制度を設けている場合があります。
自治体が金融機関と協力して行っているため、信用保証などのサポートも受けやすいのが特長です。
各地域で内容が違うので、まずはお住まいの自治体の窓口やホームページを確認してみましょう。
信用金庫や地方銀行の事業融資
地域密着型の金融機関である信用金庫や地方銀行でも、民泊事業者向けに融資を行っているところがあります。
特に、地域の観光振興に力を入れている金融機関では、民泊向けの特別なローンプランが用意されていることもあります。
銀行系の融資は、審査が厳しめではありますが、実績や信用があると有利になります。
事業計画書や収支予測をしっかり作ることで、審査を通りやすくなります。
民間のノンバンク系ローン
銀行や信用金庫などの金融機関ではない、「ノンバンク」も融資を提供しています。
たとえば、消費者金融会社やリース会社などがこれにあたります。
審査が早く、比較的通りやすいというメリットがありますが、金利が高めな場合が多いので注意が必要です。
一時的な資金繰りのためや、他の融資と組み合わせて使うケースが多いです。
リフォームローン
民泊を始めるには、住宅をリフォームする必要がある場合もあります。そのため、「リフォームローン」も選択肢の一つです。
リフォームローンは、住宅の改修や設備の導入のために使えるローンです。銀行や信用金庫で取り扱っています。
用途が決まっている分、金利が比較的低めなのが特長です。
事業用としても使えるケースがあるので、民泊の準備に活用できるか確認しましょう。
民泊向け融資を利用する際の基本的な流れ

融資を受けるには、いくつかのステップがあります。流れを理解しておくとスムーズに進められます。
融資先の選定
まずは、自分の事業計画や資金ニーズに合った融資先を選びましょう。
金利や返済期間、融資条件を比較することが大切です。
日本政策金融公庫、地方自治体、銀行、ノンバンクなど、複数を比較して検討しましょう。
相談窓口やセミナーを活用すると、より良い情報が得られることもあります。
必要書類を事前に準備しておく
融資には、さまざまな書類が必要です。
主なものは、事業計画書、見積書、本人確認書類、収支予測表などです。
事前に書類をそろえておくことで、申込みがスムーズになります。
金融機関によって必要な書類が異なるため、事前に確認しておきましょう。
融資の申込み・審査
準備ができたら、実際に融資を申し込みます。
申し込み後、金融機関による審査が行われます。審査では、事業の見通しや返済能力がチェックされます。
担当者との面談が行われる場合もありますので、自分の事業に対する熱意や計画の具体性をしっかり伝えることが大切です。
審査期間は金融機関によって異なりますが、1週間〜1ヶ月ほどかかることもあります。
融資条件の提示
審査に通ると、金利、返済期間、返済開始日などの条件が提示されます。
この時点で契約内容をしっかり確認し、不明点は質問しておきましょう。
無理のない返済計画が組めるかがポイントになります。
必要に応じて、専門家に相談するのも良い方法です。
契約の締結
融資条件に納得できたら、正式な契約を結びます。
契約書には重要な情報が書かれているので、内容をよく確認してください。
契約後、指定された口座に融資金が振り込まれます。これで民泊準備を本格的に始められます。
お金を借りた時点で返済が始まるケースもあるので、注意が必要です。
民泊事業で融資を受けるときの注意点

融資をうまく活用するためには、いくつかの注意点があります。
返済計画を現実的に立てておく
融資を受けると、必ず返済義務が発生します。毎月の収支を考えて、無理のない返済計画を立てましょう。
最初のうちは売上が安定しないこともあるので、余裕を持ったプランを作ることが重要です。
収支シミュレーションを行い、万が一のケースにも備えておきましょう。
借りすぎには注意し、自分の事業規模に合った金額を借りることが大切です。
許可申請や法規制の確認をしておく
民泊を行うには、旅館業法や民泊新法(住宅宿泊事業法)など、法的な許可や登録が必要です。
融資を受けても、許可が取れなければ事業を始められません。
計画段階で、地域のルールや法律について調べておきましょう。
行政の相談窓口や専門家に問い合わせるのもおすすめです。
空室リスクに備える資金も考慮する
民泊は、必ずしも毎日満室になるとは限りません。閑散期や不測のトラブルで空室が出ることもあります。
そのため、予備資金や運転資金を確保しておくことが大切です。
余裕のある資金計画を立てておくことで、経営の安定につながります。
補助金や助成金も活用して、資金にゆとりを持たせましょう。
金融機関の審査基準を事前に確認しておく
金融機関ごとに審査基準が異なります。自分が選んだ融資先が、どのような条件で融資を出しているかを事前に確認しましょう。
過去の信用情報や自己資金の有無、事業経験などが重視される場合があります。
審査に落ちないためにも、準備を怠らないようにしましょう。
また、複数の融資先を比較することで、自分に合ったものを選びやすくなります。
民泊の初期費用にかかるお金

民泊を始めるためには、さまざまな初期費用がかかります。どんな項目にいくらくらいかかるのか、事前に把握しておきましょう。
物件取得費
まず必要なのが、民泊を行うための物件です。既に物件を所有していれば費用はかかりませんが、新しく購入したり賃貸する場合は、初期費用として数百万円から数千万円が必要になることもあります。
物件の立地や広さ、築年数によって大きく費用は変わります。購入の場合は頭金や登記費用、仲介手数料なども必要です。
賃貸の場合でも、敷金や礼金、前家賃などがかかるので注意しましょう。
また、民泊ができる用途地域かどうかも事前に確認しておく必要があります。
家具・家電の購入費
民泊では、宿泊者が快適に過ごせるように家具や家電をそろえる必要があります。
ベッド、布団、テーブル、テレビ、エアコン、冷蔵庫、電子レンジなどが基本になります。
これらをすべてそろえるには、10万円~50万円程度の費用がかかるのが一般的です。
中古品やレンタルサービスを利用すれば、費用を抑えることもできます。
内装・外装の改修費用
築年数が古い物件では、リフォームが必要になることがあります。
壁紙の張り替え、水回りの修理、照明の交換など、改修内容によって費用が大きく変動します。
最低でも10万円以上、多い場合は100万円以上かかることもあるので、事前に見積もりを取っておくことが大切です。
この費用には、外壁の塗装や玄関の整備なども含まれる場合があります。
民泊運営のための登録・申請費用
民泊を合法的に運営するためには、旅館業法や住宅宿泊事業法に基づく許可や届出が必要です。
このための登録料や行政書士への依頼費用などが発生します。
登録費用だけで数万円、専門家に依頼する場合は10万円以上かかることもあります。
自治体ごとにルールが違うので、必ず確認し、計画的に予算を組みましょう。
Wi-Fiやセキュリティ機器などの通信設備費
現代の宿泊客にとって、Wi-Fiは必要不可欠な設備です。また、安全面を考えてセキュリティカメラやスマートロックなども設置する場合があります。
これらの設備導入には、初期費用として数万円~十数万円程度が必要です。
月々の通信費も含め、ランニングコストとしても計算しておきましょう。
宿泊者の満足度にもつながるため、コストをかける価値のある設備です。
民泊に必要な改装・設備投資にも融資は使える?

民泊の準備や運営には改装や設備投資が欠かせませんが、それらにも融資を活用できます。
日本政策金融公庫の設備資金枠が利用できる
日本政策金融公庫では、「設備資金」として、リフォームや設備購入のための融資が用意されています。
たとえば、ベッドや洗濯機の購入、トイレの改修などが対象になります。
金利が低く、返済期間も長めに設定されることが多いため、資金繰りに余裕を持たせることが可能です。
設備投資にかかる費用を事前に見積もって、申請時に詳しく説明できるようにしておきましょう。
リフォームローンを民泊改装に転用できる場合がある
住宅用のリフォームローンも、場合によっては民泊のための改装に使えることがあります。
ただし、事業用での使用が可能かどうかは、金融機関によって判断が異なります。
事前に「民泊として利用する物件だ」と説明して、適用可能か確認することが大切です。
事業計画がしっかりしていれば、事業用リフォームとして認められるケースもあります。
補助金や助成金と併用できるケースもある
自治体によっては、民泊施設の改装や設置に対して、補助金や助成金を出している場合があります。
これらは返済義務がないため、融資と併用することで負担を軽くできます。
ただし、事前申請が必要だったり、条件を満たす必要があるため、スケジュールに余裕を持って準備しましょう。
自治体の公式ホームページや商工会議所に問い合わせると、最新情報が得られます。
住宅ローンからの借り換えで対応する方法もある
すでに住宅ローンを組んでいる人は、借り換えによって事業用資金を調達できる場合があります。
たとえば、ローン残高を低金利の事業ローンに切り替えることで、資金の使い道を柔軟にできる可能性があります。
この場合、融資先の金融機関と相談して、借り換え条件や使途の範囲を確認しましょう。
借り換えで浮いた分を、設備投資や運転資金に回すのも一つの方法です。
まとめ|民泊を成功させるために融資を上手に活用しよう

民泊を始めるには、多くの初期費用と準備が必要ですが、融資をうまく活用することで、無理なく事業をスタートさせられます。
日本政策金融公庫や地方自治体、信用金庫など、多くの融資先がありますので、自分に合った方法を見つけましょう。
民泊はしっかりと準備すれば、大きなチャンスにもなります。資金調達の知識を身につけて、安心して一歩を踏み出しましょう。
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